ある日はハチミツ、ある日は玉ねぎ

オランダ人女性とシンガポールで国際結婚した会社員が妻にこっそり日本語で綴るブログ

シンガポールで結婚式に行ってきた

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会社の同僚女性(シンガポール人、50歳半ば)から結婚式に招待された。
え、再婚!?というか独身だったの!?と思ったが、彼女の息子の結婚式とのこと。私も含め、会社の同僚10人前後が招待された。
ちなみに息子には一度も会ったことない。新郎から見ると、母の同僚が結婚式に参列する、ってちょっと気まずくないのかな、と思ったりもしたが、シンガポールではよくあることだとか。
以下、シンガポールでの結婚式参列レポート。

 

ご祝儀

一人SG$100-200(約8,000-16,000円)辺りが相場。アンバオ(Ang Bao / Red Envelop)と呼ばれ、赤い封筒に祝儀金を入れて当日会場で渡す。
会場、ランチ/ディナー、曜日(土or日)等によってアンパオの相場が細かく決まっており、下記のようなWebサイトを参照して金額を包むのが普通だとか。
https://blog.moneysmart.sg/wedding/wedding-ang-bao-rates/
$1単位で細かく刻む人も結構いるらしい。

 

服装

新郎・新婦の家族はしっかりと正装で臨んでいるが、それ以外の参加者はとってもカジュアル。
事前にシンガポールの結婚式のカジュアルっぷりを聞いていたので、ノータイ/シャツ/チノパンで臨んだが、十分すぎるほどだった。
ナイキTシャツ/ジーンズのおっさんもいたぞ。

 

参加者数

とにかくシンガポール人の結婚式は新郎/新婦の友人、会社の同僚から、新郎新婦家族の友人・会社関係まで呼ぶから人が多い。300-400人くらいは居ただろうか。
席順は日本と異なり、親族など血縁に近い人が会場前方に座る。一番前は新郎/新婦の家族。我々「新郎の母の会社同僚」グループは一番後ろだった。
ちなみに私一人だけ何故か新郎親戚と同じテーブルだった。ナイキTシャツのおっさんは新郎の叔父だったぞ。

 

式進行

シンガポールでは、婚姻登録の為に簡単な式を挙げる必要があるので、式と婚姻登録を一緒にやっちゃうことが多いのだとか。ちなみにシンガポールでの婚姻登録については以前の記事に書いてます。

aint-no-mountain.hatenablog.com

 
私が参加した時は、
10:45 Solomonizerの前で婚姻登録。
12:00 結婚式開始
という流れ。10:45の時点では出席率20%くらいだった。

12:00頃になると食事が運ばれて結婚式の開始。日本のように乾杯の挨拶等は無く、またテーブル内でのおしゃべり、式中の席の移動も入退場も何でもOK。会場は式中ずっと明るい。
皆でご飯食べながら、たまにステージを見るとなんかやってるなー。くらいの感じだった。
式中に新婦から両親へのメッセージはありました。

 

食事

会場と式のスタイル、家族によって変わると思うが、私の時はシンガポール料理だった。
シンガポール(中華)スタイルで、各テーブル中央にどんと料理が置かれ、自分のお皿によそいます。

食事が終われば、あとは自由。写真撮影を楽しんだり、談笑したり、お酒を飲んだり。締めの挨拶も無いので、適宜流れ解散となる。
日本のような紙袋にがっつりと入った引き出物は無し。よくわからないコースターと飴をもらった。

 

気になる自己負担

あとで会社の同僚に聞いたところ、シンガポールの中級ホテルで結婚式を開く場合、費用の相場は約SGD40,000(約320万円)くらいとのこと。
Ang Baoで半分以上は戻ってくるそうなので、持ち出しは150万円くらいだろうか。日本の相場は知らないが、同じくらいなのかな。

 

浄水ポッド

妻が浄水ポッドを買ってきた。
今まで毎週のようにミネラルウォーターを買っていたが、ポッドが来てから月々のコストが大分減った。いい買い物をしたものだ。
実はシンガポールの水道水はそのまま飲んでも問題ない*1。ただ妻曰く味が変、らしい。学生時代から水道水をがぶがぶ飲んでいた自分には、残念ながら違いはよくわからない。
ちなみに買ってきたのはコレ。

https://www.brita.co.uk/fill-and-enjoy

 

さて、その浄水ポッドでちょっと小競り合いが発生。
妻が飲料用だけでなく、料理でも浄水ポッドの水を使って!と言ってきた。返答に困る私。浄水ポッドは口が小さいので、ちょろちょろと少量の水しか出せない。ご飯を炊いたり、スープを作るときはキッチンの蛇口から直接供給した方が断然早いのである。料理まで浄水ポッドの水をわざわざ使うのは流石に神経質じゃないの?と返すと、「浄水ポッドの水の方が良いに決まってるでしょ!水道水は味が変なんだから!」とカウンター。
ま、こんな事でケンカするのもおかしいし、そのうち妻もめんどくさくなって蛇口の水を使うだろ。と考え、(渋々)妻の要求を受け入れ、その日は浄水ポッドの水でご飯を炊いた。

 

その日の晩御飯、炊飯器の蓋を開けると、なんかいつもと違う。中にはふっくらと光り輝くお米。匂いも良い。
あれ、お米変えたっけ?まさか浄水器でこんな変わる?と戸惑いながら食べてみる。

 

 

 

 


う・・うまいっっ!

 

 

 


まるで温泉旅館の懐石料理についてくるお米のような旨さ。おかずやふりかけ無しでも、わしわし食べられるあの味。
確信した。これはどう考えても浄水器の効果だ。水だけでこんな変わるなのか!これってシンガポールに限らず、日本でも浄水器を使うと味が変わるんじゃないか?
口に入れた一瞬の瞬間に湧き出る様々な感情と思考、気分はもうミスター味っ子味皇・村田源二郎(こいつ↓)。

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前を見ると、勝ち誇った顔の妻。
そしてそれからというもの、私はサラダ用の野菜を洗う時にも浄水器を使うのであった。

 

*1:ところでシンガポールは総供給量の約25%をマレーシアからの輸入水に頼っている。
水供給契約が結ばれたのはシンガポール独立前後の1962年。契約期間はなんと2061年までの100年間という長期契約。マレーシアのマハティール首相は、販売価格が安すぎるとして、以前から契約の見直しを提起している。水問題は高速鉄道問題等と合わせ、両国の政治問題の種となっているのだ。

妻のごはんがごはんじゃない

夫として口に出すのは失礼だが、言わせていただきたい。
妻の作るごはんが、ごはんじゃない。
一時期よりもだいぶ改善したが、それでも妻がごはんを作る。と聞くと一縷の不安を感じるのである。
話は結婚する前、同棲時代に遡る。

 

 

ある日はハチミツ

赴任当初から私は、基本的に夕食は自炊をしていた。シンガポールには日本食のレストランがたくさんあり、しかもどこもそこそこ美味しいのだが、とにかく値段が高い。白米とみそ汁を付けた定食を食べようものなら、夕食で一人2000円程はかかる。もちろんローカルが営業している安い日本食もあるが、あまり美味しくはない。幸いコンドミニアムには調理器具や炊飯器が最初から備え付けられていたので、学生時代以来の自炊をしていた。これが結構ハマってしまい、料理本を見たりクックパッドに登録したりと、ちょっとした趣味のようになった。
妻と同棲後も、私は日本食が食べたいし料理も好きだったので、基本的に私が料理を作っていた。妻も日本食が好きだったので全く問題なかったし、私自身残業も少なかったので、終業後早々に帰宅し、夕食を作り、一緒に食べていた。
妻が料理が得意でないというのは知っていたし、私も毎食作ることに不満はなかったので、全く問題は無かった。

 

 

ある日は玉ねぎ

そんなある日、進行中のプロジェクトが山場を迎え、21時頃まで残業する日が続いた。遅くなる、と妻に伝えると、今日は私が夕食を作るね、と返答がきた。
普段料理をしない妻が頑張って作ってくれる!と嬉しくなった私は猛スピードで残業を終わらせて帰宅した。オランダ料理だろうか、もしかして日本食をこっそり勉強していたのだろうか、色々な期待を巡らし、心躍りながら玄関を開けた。
食卓で私が見たのは、茹でたじゃがいも(丸々)とキャベツだった。

 

食後、これはまずい!!(いや不味くはないのだが)と思った私は、肉汁じゅわ~のふっくらハンバーグをこねるかの如く、優しく妻に問い掛けた。
聞くと、オランダではこれに肉や魚の焼いたもの、パンを添えれば立派な夕食だそうだ。…そうなんですか?いや、仮にそうだとしても、その日の食卓には肉も魚も無い。
私から言わせれば、これは料理でなく素材だ。でも妻から言わせればどこからどうみても料理なのだ!
手を抜いている気など一切ないのである!

 

 

夫のごはんもごはんじゃないのかも

私と妻の間で揺れる料理という概念は、果たしていつ決着がつくのだろうか。いや、決着することは無いだろう。そしてこれからも、妻の作る料理は私の中で素材なのだろう。
(最近出た夕食は、ドリトス(市販)にアボカドディップを添えたグァカモーレ)
一つ言えることは、この認識の差異も笑って過ごせるような心こそが、夫婦関係を長く続ける秘訣なのだろう。
そして現在、私はただ茹でたジャガイモを夕食として食べることに抵抗が無くなったのだ。別途私がお米と、肉、魚料理を添えることによって。

 

日本人男性×非アジア系女性の結婚は珍しいのか

 

ラグビーW杯観戦の為、9-11月に数回妻と一緒に日本に帰った。
私は学生時代ラグビー部で、現在も(週一くらいだが)ラグビーを続けており、今回のW杯のチケットは1年以上前から購入し開催を心待ちにしていた。毎日テレビにかじりついてラグビーを見ている私に、妻は半ば呆れていたが、日本旅行と中々見られないラグビーW杯観戦 (4年に一度じゃない、一生に一度だからね!)という案で粘り強い交渉をした結果、日本行きのチケットを勝ち取った。

 

実は一緒に日本に行くのは今回が初めてだった。
帰国中は東京、横浜、大分と各都市に数日間くらい滞在していたが、気になったのは他の人からの目線。日本人男性×外国人女性の組み合わせが珍しいのか、街を歩いていても、お店に入っても、色んな人から見られる。電車に乗り込む時なんて皆に見られる。妻も目線に気付いていたようで、結構なストレスを感じたようだ。シンガポールでは全くそんなことは無かったが、やはりまだ日本では国際結婚は珍しいのだろう。なんせかく言う私も、まさか国際結婚するなんて思ってなかった口なのだから。
ということでちょっと日本の国際結婚の現状について調べてみることにした。

 

 

国際結婚の現状

厚生労働者が発表している人口動態統計では、2017年の日本国内の婚姻件数に於ける、国際結婚の比率は約3.5%。2015年には6%近くまで上昇していたが、以降減少、横ばいが続いており、現在は30年前とほぼ同じ数字である。2015年以降の減少については、同年に入管法が改正された影響が大きいそうだ。
3.5%という数字について考えてみよう。30代後半の人間のケースで考えると、40歳時までの既婚率は60-70%なので、100人知り合いがいると、内2人くらいは国際結婚をしているということになる。あれ、意外にいるもんだな、そこまで珍しくはないのかな、と思える数字だ。
ちなみに2017年の結果では、日本人男性の国際結婚件数は、日本人女性の約2倍以上となっている。

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参考: 平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況

 

 

配偶者の国籍別にみる国際結婚

ところが、男女別で統計を詳しく見てみると如実な違いが出てくる。
下図は日本人男女別の、配偶者の国籍比率を表している。赤字で囲ったのは非アジア圏(その他含む)の配偶者比率だが、男性は女性と比べ、非アジア人との婚姻率が圧倒的に少ない。
婚姻総数で比べても、日本人男性×非アジア圏の3,235人(2017年。その他含む)に対し日本人女性×非アジア圏は3,904人。やはり男性の方が、非アジア圏との婚姻数が少ない。
現代では国籍と人種は多様に入り混じっており、全てが当てはまるとは言えないものの、日本に於いて日本人男性×非アジア人女性の婚姻はスーパーマイノリティなのではないだろうか。
珍しいということは、それだけ他人から見られる機会も多いのだろう。

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参考: 平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況

 

 

最後に

日本人男性×非アジア人女性という組み合わせは、やはり珍しいのだ。日本に住み続けるとなると、これからもじろじろと見られることを覚悟した方がいいのだろう。
残念ながらWebブログを調べると同じような悩みを持つ人が中々見つからない。皆そこまで見られることが苦ではないのか、気付いていないのか、はたまた私達が過剰な反応をしているのか。
実際、生活をしていて何か差別されること等は全くなかったので、視線など気にしなければいいのだが、妻は結構センシティブなので、将来日本に住む選択等を出しづらくなってしまう。
ちなみに男性の方が女性より国際結婚比率は高いにも関わらず、国際結婚関連のブログは女性の筆者が多い気がする。なんでだろ。

どこで結婚するか

シンガポールかオランダか日本

私達は住居をシンガポールに構えており、そして妻はオランダ国籍、私は日本国籍を持っているので、結婚の登録先にはオランダ、日本、シンガポールの3つの選択肢がある。各国の結婚要件は簡単にまとめると下記の通りだ。

  • オランダ: 各市町村に申請。婚姻当日は市の担当者が立ち会いの下簡易的な結婚式(宣誓、サイン、キス等)を行う必要があり。またオランダに住所のある最低2名の証人の立会いが必要。会場は市役所で行うのが一番安く済むが、レストランや教会も可能。
  • シンガポール: 政府機関であるMisitery of Marriage(ROM)に申請。申請は婚姻予定日の最低3週間前。オランダと同じく最低2名の証人立会いの下簡易的な結婚式を行う必要があり。またその際の立会人(Solomonizer/結婚式の神父さんのような人)も別途自分で手配する必要あり。一番めんどくさい
  • 日本: 婚姻届と他必要書類出して終わり。

私は特に場所、日時に拘りはなく、できるだけ簡単に済ませられる所が希望だった。妻も場所には拘りはないが、日時はとある記念日を強く希望していた。その為、まずはその日(今年は日曜)に婚姻が可能かで篩をかけることとなった。

まずはオランダでの結婚の可能性を探る為、妻が地元の市役所に確認。すると、なんと3ヶ月先まで予約でいっぱい、しかも基本的に平日のみの受付だという。せっかくだからオランダ旅行(と先方の両親への挨拶)を兼ねてオランダに行くか〜。という私の淡い望みは一瞬で潰えた。まあお金もかかるし結果オーライ。

次にシンガポールだが、これも土日の結婚が難しい。結婚はROMの中にある小さな式場で行うことが可能だが、基本的には平日のみ。ちなみに自宅等でも全然問題ないそうだが、結婚に相応しい内装でなければならないそうだ。どういうこと。そしてSolomonizerも平日のみ対応可能という人が結構多い。結果、妻はどうしてもその日(日曜)に拘っていた為、日本で婚姻届を提出することにした。

 

最大の敵は日本の役所

 ご存知の通り日本での婚姻届提出はどこでも構わない。必要書類についてはネットである程度調べることができるが、年の為予約したホテルの近所の区役所(横浜市某区)に電話で確認することにした。

戸籍課に繋いで貰うとたいそう訝しい反応をされた。何故日本なのか、何故シンガポールでやらないのか。何故その日なのか。イラつきながらも一つ一つ説明すること10分、先方の回答は

 

「現在担当が不在にしておりますので、また改めてご連絡ください。先ほど申し上げましたがやはりシンガポールで手続きされる方が簡潔だと思います」

 

危うく携帯を投げるところであった。

 

安定の港区

横浜の他区役所にも電話してみたが、どうも反応がwelcomeでないので別の市町村ですることにした。外国人の多い東京都港区なら国際結婚も熟知していると思い電話してみると、さすがの対応。あれよあれよと話が進み、必要な書類の確認、前日の事前確認もスムーズに行うことができた。国際結婚するなら港区役所、おすすめです。

 

日本は他国に比べ簡単なのか

余談であるが、妻の婚姻要件具備証明書等を取りに在日オランダ大使館に行った時、職員の方が「最近アジアに住んでるオランダ人が、日本で婚姻届を出すケースが多いですね」と言っていた。費用もかからず、在住者以外でも婚姻届を提出することができる為、日本での婚姻は他国に比べて容易なのかもしれない。でも配偶者ビザ取るのは相当大変みたいですね...。

 

【はじめに】このブログについて

2019年に結婚しました。

私:日本人。アラサー。好きなタイプの女性→木村文乃

妻:トルコ系オランダ人。アラサー。好きなタイプの男性→ヴィゴ・モーテンセン

 

尚、私の容姿はヴィゴ・モーテンセンと180度且つ身長も50km以上離れていますが、まあなんとかやっているのでOKなんでしょう。

 

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アラゴルンかっこいいよね

 

ネットで国際結婚を調べると、「ダーリンは外国人!英語わかんないけど勉強中!ダーリンかっこいい!」みたいなお花畑ブログしか引っ掛からず全く役に立たないので、自分の実体験を元に現実的な情報、他実生活を(妻に内緒で)徒然なるままに書いていこうと思います。