ある日はハチミツ、ある日は玉ねぎ

オランダ人女性とシンガポールで国際結婚した会社員が妻にこっそり日本語で綴るブログ

シンガポールで体外受精

 前々回の続きです。

aint-no-mountain.hatenablog.com

 

さて、子宮筋腫の治療もある為、先に体外受精(IVF)を行い胚を凍結することに決めた私たち夫婦。クリニックは、セカンドオピニオンでも大変親身になってアドバイスをくれたDr.Ng Soon Chye氏のいるSincere IVF centerに決めました。

sincereivfcenter.com

 

Dr. Ng 氏はシンガポールで(40年前に)初めて人工授精を行った人で「シンガポール不妊治療の父」と呼ばれているらしく、現在シンガポールで活躍する不妊専門医の多くが彼の元で学んでいったとか。当初は、おいおいそんなレジェンドに会えるのかと戦々恐々と足を運ぶと、とても優しいおじいさまで不安が一気に吹き飛んだ覚えがあります。齢70を超えており今もなお第一線で活躍するDr.Ng氏、ちなみに上記webサイトの写真は恐らく十数年前の若い頃のものではないかと。

Dr. Ng氏に改めて我々の決断を説明し、体外受精をすることを選択。正式にコンサルテーションを行ったのは10月の初週でした。

 

その後、妻の周期がきたら改めて訪院し、誘発剤の購入と説明を受けました。毎日誘発剤注射をする妻は相当頑張ったと思います。以降は卵の状態確認と、誘発剤の購入の為2-3日おきに通院。ちなみに私も精子を活性化させるサプリもらって飲んでました。
今振り返ると、この時期が一番不妊治療で大変でした。勿論男はこの時点では大概することは無いのでこんなこというのは非難轟々ですが、妻はホルモンバランスの乱れや治療のストレスなどもあり、かなり精神的にきつそうでした。世の男性の皆さん、誘発剤の時期は奥さんを普段以上に沢山ケアしましょう! 私も在宅勤務だったので、会社に内緒でこっそり抜けて一緒に通院できたのはよかったです。

 

そしていよいよ採卵・採精の日を迎えることに。
朝8:00にクリニックへ行き、妻は着替えて手術室へ。私は待合室で待機。待合室は小さな個室になっていて、正面のスクリーンで採卵の様子を確認することができます。少しでも生命の誕生過程を理解してもらう為でしょうか。他のところもこういう感じなんですかね。

1時間後、手術室から出てきたDr.Ng氏から採卵が無事終わったこと、想像以上の卵が採取できたことの報告を受けて安堵。
当日は我々以外にも他2-3組の夫婦が治療をするようで、Dr.Ng氏は午前中ずっと手術室に篭りっぱなし。しかしDr.Ng氏は70を超えて今もなお手術室に立つのは本当にすごい。この人いつ休んでるんだ?ってくらい朝から晩までクリニックにいます。

 

その後私はというと、麻酔がまだ聞いており意識が若干朦朧とする妻を横目に採精へ。別ルームに案内され、そこで生命の源を創出。そういえば90年代のPlayboyとか置いてあったけど誰か使っていたんだろうか...。
本日はこれで終了、その後は凍結まで毎日胚の成長過程をメールで貰いながら、2週間後に最終報告のレポートを貰って我々のIVFは一旦終了しました。

 

 

ちなみにかかった費用ですが、

・コンサル費用、誘発剤その他キット、血液検査など: 約SGD 8,500(約66万円)

・採卵・採精、受精・凍結: 約SGD 10,800(約84万円)

 

となりました。通算通院回数は8回。移植の際はさらに+SGD 4000くらいかかるとのことです。ただDr.Ng氏のクリニックは高めなようで、NUHで見積もり取ったら総額SGD15,000ほどでした。日本の相場は分かりませんが、ネットで調べると体外受精を実施した人の平均医療費が100万円-200万円とのことなので、全体的には同じか少し高めでしょうか。助成金が得られないのは痛いですが。


とにかく、まずは第一ステップ終了。少しの休憩ののち、子宮筋腫の手術に入ります。