レストランバブル?
お店の予約が取れません!
最初に気づいたのは10月くらいでしょうか。結婚記念日のディナーのお店を探していて、良さげな日本料理店があったので予約の連絡を入れると、「今週来週は予約で一杯です。」との回答が。たまたま今週来週は埋まっているのかな、と思ってその時は気にしませんでした。
今月初め、今度や会食用にその日本料理店に連絡を入れると、また「今週来週は予約で一杯です。」と言われました。さすがに何かおかしいと思いましたが、とりあえず和食が食べたいので他の店を当たると有名どころはほぼ予約で満席。一体どうなってるんだ?
そんなもやもやを抱えながら、和食家は諦め西洋料理にしたんですが、こちらも予約がタイトで18:00からのみと。19:00が良かったんですが渋々受託。
これは何かおかしい、と思って後日知人の寿司職人に話を聞いてみると、6月以降からシンガポール中の寿司屋がバブルになっているようで、寿司職人のヘッドハンティングがひっきりなしにかかってくるんだとか。友人曰く、寿司屋だけでなく、特に高級飲食店の需要が急激に上がっているそうで、ネットで調べてみるとちらほらと飲食バブルに関する記事を発見。
South China Morning Postによると、シンガポールのレストラン需要はどうやらCircuit Breakerが終了し、飲食店の店内営業がOKとなった6月以降から急激に回復。海外旅行やエンタメの規制により多くの在住者が飲食にお金を使っていること、更にはPhase2におけるアルコール提供規制(22:30まで)や座席のソーシャルディスタンス確保で供給もある程度制限されている為、海外旅行客が居なくとも国内のレストラン需要が逼迫しているとのことです。
そしてこちらはStraist timesの記事。Ochardのホテルにある寿司家はなんと来年の3月まで予約で一杯。日本に行けない代わりに高級日本食店に行く人が増えているということですが、さすがにこれは想像を超える盛り上がり。年末に帰国する日本人も少なくなったので、更に需要に拍車をかけているかもしれません。
客数や営業時間に制限があるのでまだまだ完全回復とは行きませんが、飲食店にとっては良い兆しなのかも知れませね。
シンガポールで体外受精
前々回の続きです。
aint-no-mountain.hatenablog.com
さて、子宮筋腫の治療もある為、先に体外受精(IVF)を行い胚を凍結することに決めた私たち夫婦。クリニックは、セカンドオピニオンでも大変親身になってアドバイスをくれたDr.Ng Soon Chye氏のいるSincere IVF centerに決めました。
Dr. Ng 氏はシンガポールで(40年前に)初めて人工授精を行った人で「シンガポールの不妊治療の父」と呼ばれているらしく、現在シンガポールで活躍する不妊専門医の多くが彼の元で学んでいったとか。当初は、おいおいそんなレジェンドに会えるのかと戦々恐々と足を運ぶと、とても優しいおじいさまで不安が一気に吹き飛んだ覚えがあります。齢70を超えており今もなお第一線で活躍するDr.Ng氏、ちなみに上記webサイトの写真は恐らく十数年前の若い頃のものではないかと。
Dr. Ng氏に改めて我々の決断を説明し、体外受精をすることを選択。正式にコンサルテーションを行ったのは10月の初週でした。
その後、妻の周期がきたら改めて訪院し、誘発剤の購入と説明を受けました。毎日誘発剤注射をする妻は相当頑張ったと思います。以降は卵の状態確認と、誘発剤の購入の為2-3日おきに通院。ちなみに私も精子を活性化させるサプリもらって飲んでました。
今振り返ると、この時期が一番不妊治療で大変でした。勿論男はこの時点では大概することは無いのでこんなこというのは非難轟々ですが、妻はホルモンバランスの乱れや治療のストレスなどもあり、かなり精神的にきつそうでした。世の男性の皆さん、誘発剤の時期は奥さんを普段以上に沢山ケアしましょう! 私も在宅勤務だったので、会社に内緒でこっそり抜けて一緒に通院できたのはよかったです。
そしていよいよ採卵・採精の日を迎えることに。
朝8:00にクリニックへ行き、妻は着替えて手術室へ。私は待合室で待機。待合室は小さな個室になっていて、正面のスクリーンで採卵の様子を確認することができます。少しでも生命の誕生過程を理解してもらう為でしょうか。他のところもこういう感じなんですかね。
1時間後、手術室から出てきたDr.Ng氏から採卵が無事終わったこと、想像以上の卵が採取できたことの報告を受けて安堵。
当日は我々以外にも他2-3組の夫婦が治療をするようで、Dr.Ng氏は午前中ずっと手術室に篭りっぱなし。しかしDr.Ng氏は70を超えて今もなお手術室に立つのは本当にすごい。この人いつ休んでるんだ?ってくらい朝から晩までクリニックにいます。
その後私はというと、麻酔がまだ聞いており意識が若干朦朧とする妻を横目に採精へ。別ルームに案内され、そこで生命の源を創出。そういえば90年代のPlayboyとか置いてあったけど誰か使っていたんだろうか...。
本日はこれで終了、その後は凍結まで毎日胚の成長過程をメールで貰いながら、2週間後に最終報告のレポートを貰って我々のIVFは一旦終了しました。
ちなみにかかった費用ですが、
・コンサル費用、誘発剤その他キット、血液検査など: 約SGD 8,500(約66万円)
・採卵・採精、受精・凍結: 約SGD 10,800(約84万円)
となりました。通算通院回数は8回。移植の際はさらに+SGD 4000くらいかかるとのことです。ただDr.Ng氏のクリニックは高めなようで、NUHで見積もり取ったら総額SGD15,000ほどでした。日本の相場は分かりませんが、ネットで調べると体外受精を実施した人の平均医療費が100万円-200万円とのことなので、全体的には同じか少し高めでしょうか。助成金が得られないのは痛いですが。
とにかく、まずは第一ステップ終了。少しの休憩ののち、子宮筋腫の手術に入ります。
回転飲茶から考える寿司文化 in Singapore
最近忙殺されており前回の続きを書く気力がないので閑話休題。
Novina周辺に行く用事があったので、帰りにランチの場所を探していると、なんともカラフルなレストランを発見。
料理はどうやら飲茶と中華料理。うん、悪くなさそうじゃん。ということで入ってみると、お気づきでしょうか...。各テーブルの通路と反対側に何か光るレーンがあるのを...。
そうなのです、まさかの回転寿司スタイル飲茶でした。
スシローと同じく、パッドで注文したものがベルトコンベアを伝って運ばれてきます。
回転寿司のように常時食べ物が流れており自分の食べたいものをピックするわけではないので、専ら人件費削減の為だと思いますが、なんか新鮮な感じ。
値段は少し高めですけど、Ding Tai Fung好きなら問題ないおいしさです。
ところでシンガポールは寿司レストランが本当に多い。そして人気。
平日の昼間っから寿司食べてる人の多いこと多いこと。スシロー、元気寿司、Nihon Mura、Sushi Expressといった回転寿司はもちろん、所謂”まわらない寿司”のお店も沢山あります。それも日本由来のお店だけでなく、今ではローカル発祥のお店でも日本と引けを取らないくらい美味しいのです。
CUHKの日本文化研究者であるBenjamin Ng Wai-Ming氏によると、シンガポールで最初に寿司を含む日本食文化が到来したのは1960年代とのこと。高度経済成長により海外赴任となった日本人向けに、日本人が始めた、非常に限られた文化であった日本食が、日本人の更なる東南アジア進出とシンガポールの経済成長も相まって徐々に国民に浸透。さらに、90年代以降も増え続ける国内の日本人人口と、漫画・ドラマ等の日本のカルチャーの伝来がシンガポールでの寿司文化を揺るぎないものとしたということです。確かミスター・味っ子は中国・香港等の中華圏でも人気を博したアニメですね。
Benjamin氏によると、シンガポールにおいて寿司がポピュラーになった理由は文化の浸透だけではないようです。専門店に行き、カウンターに座って寿司そのものを楽しむ古来の日本の寿司文化とは異なり、シンガポールは家族で出かけ、安く食べられることを重視します。その為、日本食レストランに行き、お気に入りの寿司を少々、うどんや天ぷら等の他の食事と合わせて頼むのが一般的でした。平成以降、日本が専門店から回転寿司やデパ地下惣菜で寿司を大衆化したように、シンガポールでは既に存在していた数多の日本食レストランが、メニューの一つとして寿司を提供したことが大衆化に貢献したのです。
日本から空輸で若干7-8時間ほど、国内のロジスティクスの利便もあり、安くて新鮮な寿司が食べられるシンガポールは、東安アジアの日本食文化のハブなのかもしれませんね。
さらに詳しくは、以下Benjamin氏の論文"Popularization and localization of sushi in singapore"をどうぞ。
セカンドオピニオン
大変ご無沙汰してます。
不妊治療、子宮筋腫の治療、そして妻の入院。怒涛のようにすぎた10月でした。
7月に妻がひどい生理痛になり病院にいったところ、子宮筋腫が数年振りに確認。
医師からは手術を勧められ、妻も私ももちろん手術希望でしたが、昨年から妊活をしていたこともあり今後のプランも含めて色々と検討することに。
年齢も年齢だし、先に子供を。と考えいた矢先の子宮筋腫再発。しかも8cmくらいの結構大きいサイズになってるとのこと。妻は以前にも子宮筋腫に罹っていたので「あ〜やっぱりね」という感じでしたが、男の私は何が何やら分からず、医師の専門用語(しかも英語)をぽかーんと聞いている情けない始末。こういう時に男性はほんと役立たずになりますね...。もし私が睾丸の病気見つかったら妻も同じ感じなのかな、とかどうでもいいことを考えたり。結局帰宅後に調べたり妻から聞いたりで何とか状況を把握し、不妊治療と子宮筋腫の手術、両方の観点から私たちが最も納得する治療を考えることになりました。
幸い私たちが診療をお願いした医者2名は、共に人工授精、子宮筋腫の治療ではシンガポールで有名なお方。FBのexpatページで色々聞いて探した甲斐がありました。しかしその分診療費は通常の2-3倍。高い高い。海外保険入っててよかった...。
そして彼らのアドバイスをもとに私たちが考えたのは、
①筋腫切除→通常妊活or人工授精
②人工授精(胚凍結)→筋腫切除→人工授精(胚移植)
の2択。①は通常妊活で済めば費用は筋腫切除だけ(しかも保険適用)。②は人工授精については自費ですが、万が一手術で後遺症が残ったら...というリスクも回避可能。
迷った挙句、やはり他の医者の意見も聞いてみようということで、さらに2名の医者からセカンドオピニオンを聞くことに。聞けば聞くほど色々な意見が貰え、どっちが良いという訳でもないですが、最優的に②先に胚凍結することにしました。
ということで海外でIVFスタートです。
つづく
不妊治療と入院と手術と
どたばたの10月でした。
9月にお腹の痛みを訴えた妻。病院に行ったところ、子宮内膜症と診断。医者によると早急な手術が必要とのことでしたが、年齢や手術後の不妊の可能性等を考慮して、先に不妊治療(IVF)をすることを選択しました。シンガポールでの不妊治療についてはまた今度詳しく書きたいと思います。
とにかく早め早めにということで、10月始めから妻はホルモン注射を開始。私もビタミン剤を処方され飲み続けながら、2日に1回は病院で経過観察。
そして今月半ばにIVFを行い、採卵と顕微授精は無事成功。手術まではとりあえず一休み!って時に妻がまた腹痛を訴えた為病院に行ったところ、手術の影響からか子宮から腸にかけて膿瘍ができていた事が判明。幸運にも大事ではありませんでしたが、様子を見るために2-3日入院とのこと。
久しぶりに病棟なるものに入りましたが、最近の病院はタブレットで食事注文とかなんですね。こちらは朝ごはんですが、シンガポールらしく麺物やロブスターのおかゆもありました。
私がまだ高校生だった時に入院した地方公立病院の病院食は、玄米ご飯・味気ないスープ・ねぎ・味噌・にんじんと里芋の煮物、といったそりゃあもうまず...おっと、健康的な食事でしたが、日本の病院食も大分変わっているんですかね。
Safety Management Officers講習
うちの会社は3月半ば以来ずっと在宅勤務でしたが、今月初めより政府よりオフィス勤務対象制限の緩和が発表された為、オフィス勤務に向けて動き出しております。
正直在宅勤務に慣れすぎて「もうオフィス行かなくてもいいわ」状態ですが、一方で半年以上直接の交流が無いのも辛いもので、先月は顔見知りの別部署の友人が突然退職して挨拶もできなかった、なんてこともあったので、まあ戻ってみるのもいいかなーと思っていたので、ちょうどよかったです。
さて、そんな感じでオフィス解禁に向けて動き出したうちの会社ですが、
突然上司から、「政府の衛生管理者講習受けてこい」との指令。 どうやらSafety managament measures courseという、従業員の感染防止に配慮したオフィス体制について学ぶコースのようです。
コースは約3時間、しかもコース終了後テストに合格しないと証明書もらえないとのこと。会社がやれと言ったので、渋々NTUC learningというネットラーニングのウェブサイトから申し込み。
コース内容は、コロナウィルスについて、感染防止のためにオフィスにて必要な施策についてがメインで、特別難しいことはありませんでした。ただ3時間のプレゼンの中でどこがテストに出るのかは不明のため、講義を受けながら仕事するなどの内職はできず、集中する必要があります....。
受講後のテストもオンライン。10問中8問の正解が必要で、何度でも受け直しができるのですが問題が都度異なるため、やはり講義を受講しておこなければ難しいと言う印象。私は3回目でやっとクリアでした。
ちなみに後から聞いたんですがこのSafety management officers講習、別にオフィス解禁に必須ではなく、さらに持っていても特になにもメリットはないそうです...。
夫婦喧嘩とカウンセリング その2
前回の続きです。
aint-no-mountain.hatenablog.com
ということで国際結婚専門のカウンセラーを探すことに。
カウンセリングと聞くと、離婚一歩手前の限界夫婦がすることなんじゃないかと戦々恐々でしたが、妻に聞くと欧米では普通だとか。妻がそういうなら、と抵抗ありながらもカウンセリング参加に同意。
まずはシンガポールのカウンセラーに連絡を取ったところ、日本人-欧米人の国際結婚のカウセンリングに特化した人が日本にいるということで、連絡先を教えてもらいました。
そして後日、日本語ペラペラの米国人医師とオンラインでのカウンセリングを実施。
私、妻の主張を其々言った後、医師から日本-欧米人の国際結婚でよく聞く悩みというのを教えてもらいましたが、それが以下の通り。
日本人側
・ パートナーが心を読む・空気を読むということができない
・パートナーが決まり事を作ろうとしない
欧米人側
・パートナーが理由を言わず黙ったり、口を聞かなくなったりする。
・パートナーが心情を離さない。
いや、もうまさに私達夫婦の問題にもろヒット。
改めて一度喧嘩の原因を考えてみると、元々私の不満は、妻に対し「空気を読んで早くテーブルの片付けをして欲しかった」であり、妻の不満は私に対して「早く片付けて欲しいなら言って欲しい」ということだったんです。それが発端となり様々なところに火がついて、遂には火元が分からなくなり大炎上。
火種は小さな喧嘩ですが、じゃあその助燃剤は何かって言ったら、医師が教えてくれた文化の違いによる不満でした。そして私は妻を無視したことでさらに燃料を投下してしまったんですね。
他の、日-欧夫婦も同じ悩みを持っているんだと分かり、しかもそれが人間性ではなく文化による価値観から来ると分かったと途端、一気に肩の力が抜けたような気分になりました。私たちはまだまだ全然大丈夫じゃん!と。
この日から約1ヶ月経ってブログ書いてますが、今はもうあの時の大喧嘩は何だったのかというくらい通常営業です。またカウセンリングでは他にも様々なことを医師から教えてもらい、そのアドバイスを心において暮らしています。
ということで国際結婚で関係が破綻しそうになったら、一度カウンセリング、それも日本人と外国人に特化したカウンセリングをおすすめします。